息子が今年の9月からイギリスの高校に留学することになりました。
イギリスに留学したいという話しを聞いたとき、正直、青天の霹靂で驚きました。
うちの家族はこのブログでも書いているように、「家族ノマド」と称して、長期休暇などを利用して海外で生活を度々しています。
その目的のひとつに息子にいろんな世界を見せて視野を広げてもらえたらと思っていたからです。
しかし、親の思惑通り行くはずもなく、海外に行けば行くほど「やっぱり日本がいいわ。一生日本で暮らしたい。安心安全で暮らせる日本を離れる理由がわからない」と言っていました。
彼はかなり慎重な性格で怖がり。未だに炭酸飲料が怖くて飲めないぐらい(笑)
そして、彼は厳しい中学受験を経て、中高一貫の学校に通っていました。
中学3年生になった彼は特に試験を受ける必要もなくそのまま高校に進学できる立場でした。
ハリーポッターが好きだから・・・?!
しかし、彼は中学3年の秋に急に「学校をやめてイギリスに留学したい」と言い出したのです。
私と妻からすると「へ??」と鳩が豆鉄砲をくらった状態。
理由を聞くと、イギリス留学をした人からその良さを聞いたこと、そして、ハリーポッターにはまってしまいハリーたちみたいな全寮制の学校に通いたいからとのこと。
え・・・? それだけの理由? とは思ったけれど、まぁ、海外に興味を持ったのはいいことかと「イギリス 留学 高校」でググってみたら….
目が飛び出ました?
想像していた金額をはるかに超える留学費用。
1年間で500万円から600万円かかると書いてあります。
おそらく休みごとの渡航費用や諸経費を足していくとさらに費用はふくれあがることでしょう。
イギリスへの留学費用は他国に比べても高いようです。
日本の私立の中高でも年間100万円ほどかかり高いと思っていたけれど、それと比べても桁違い。五つ子を全員を私立に入れる金額って…と訳の分からない計算をしてしまっていました?
「行った人から良いと聞いたから」「ハリーポッターが好きだから」で「はい!わかった!行ってきていいよ」とその金額をぽんとは払えません。
だって、3年いったら2,000万円近くかかるんだから!
勉強の意義とは?
これはどれだけ強い気持ちを持って行きたいと言っているのか確認する必要があると彼の話しをしっかりと聞いてみました。
一番大きな理由としては、日本の教育制度について疑問を持っているとのこと。
彼が入学した中学校は先進的な取り組みをしていて、いまや東京ではとても人気がある学校。
彼が通っているコースはインターナショナルコースで、クラスの半分はネイティブの子たち。そして担任は外国人。
入学と同時にMacbook ProまたはAirの購入が義務付けられ、IT教育にも力を入れています。
主要科目は日本語で受けるものの副教科やホームルームなどは英語。学園祭では中1の頃からMacbook Proを利用して英語でプレゼンも行っていました。
外部からも講師を招き、度々講演会なども開いていました。彼が中1の頃にはまだ今ほど知名度がなかった落合陽一さんを招いていたりと先進的な取り組みをしてくれる学校でした。
そんな学校だったので、私は概ね満足していました。
しかし、息子は満足していなかったのです。
彼は中学受験が終わったら、もう受験に向けた勉強は終わりだと思っていました。
そして選んだ学校は”受験受験”した学校ではないと思っていたのです。
確かに他の進学校に比べたら、受験だけでなくいろんな視野を広げてくれる学校かもしれません。しかし、彼は他の学校に行ったことがないので比べることはできませんし、やはり進学校ではあるので受験に向けた勉強が基本になります。
そんな学校生活を送っていく中で彼は疑問を抱くようになるのです。
「この勉強って将来の役に立つんだろうか?」
こうした疑問は誰もが一度は抱くものではないでしょうか?
モヤモヤしたまま無理やり勉強をしても意味がないので、私はある日、彼にこう提案してみました。
「協力してあげるから、大人に勉強する意義を聞いてみたら?」
そして、彼はアンケートを作り、私が主宰する起業家向けの勉強会に参加して意見を聞いたり、私のfacebook上の友達に答えてもらうなどして、約200人の回答を得たのでした。
彼は回答内容をまとめ、自分なりの答えを出してホームページを作り公開しました。
それから、一定の勉強する意義を見出した彼はその後、試験前には勉強をするようになり、試験での点数は取れるようになりました。
しかし、試験で点数を取る勉強はあくまで受験に向けたものになり、何かしっくりこずアンケートを取ってから2年近くたった中3の夏に彼は再び動き出すことになります。
大人へのインタビュー
アンケートでは一人ひとりじっくり話しを聞くことができなかったので、実際に自分が興味あることを職業にしている大人にインタビューをし始めたのです。
彼は多くの中学生と同様にゲーム好き。
まず選んだ会社は東証一部上場のゲーム会社「GameWith」。ホームページの問い合わせフォームからコンタクトを取ったところ、なんと快諾してもらえたのです。
小さな成功体験を得た彼は、さらに大胆に動きます。
自分がいま一番はまっているゲーム「クラッシュ・ロワイヤル」を運営するフィンランドにあるスーパーセル社にコンタクトを取ります。
私の知り合いにも協力を得て、何と訪問できることに。
友達をひとり誘い、中学生二人でフィンランドに飛び立ったのでした。
この経験が海外の恐怖心を和らげたのではないかと思います。
帰国してからも彼の大人への突撃訪問は続きます。
こちらの訪問では、CEOの西谷麗さんが中学時代にイギリス留学をしており、その話しを聞いたことが彼の心の中の何かを大きく揺さぶったようです。
そして、他に会った方も何人かの方が留学しており、みんなとても良い経験になったと一様に話していたこと、多くの方が英語は話せるようになった方が良いというアドバイスをくれたとのこと。
詰め込み型の受験に向けた勉強を継続することに疑問を持ち、そして、上記のような一連の経験を積み、彼は留学するという決断にいたったようです。
息子の決意
しかし、前述したように投資する側としては「はい、行ってきていいよ!」とは簡単には言えません。
「行った人から良いと聞いたから」「ハリーポッターが好きだから」だけでは足りるわけがありません。
そこで、私は彼に直接ぶつけました。
いたば
すると彼の口からこのような言葉が返ってきました。
息子
どこの国に留学した人に聞いても留学してよかったと言っていた。だったら、いまの自分が判断できるのは、その話しを聞いて、より興味を持った国だったり、自分の好きなものがある国を選ぶことぐらいやん。ハリーポッターみたいな全寮制の学校に通いたいという気持ちもがんばれる大きな動機になる
ムムム….
これを聞いた私は確かにそうかもしれないと納得しました。
それから全面的に協力するようになり、学校探しが始まります。
しかし、ここからが大変でした。
普通、留学するときは留学エージェント会社に依頼します。
私達も当然のようにいくつかの留学エージェント会社を回りました。
しかし、、どこの会社も信頼できない….
そこで、私達が取った行動は留学エージェント会社を利用せず、自分たちでやってしまうということでした。
この話しはこちらの動画で話してます。
なにはともあれ、あと1週間でイギリスに向けて出発です。
いまは不安でいっぱいな気持ちが顔にあらわれています。
でも大丈夫。
君は覚悟ができる人間だから、飛行機に乗ってしまえば後はワクワクしかないよ!
コメントを残す